はじめに

(2016年8月に書いたものを2018年6月に加筆修正)

僕が暗号通貨について知ったのは、例のマウントゴックス事件が大きくマスコミで取り上げられた時なので、2014年の初め頃だと思います。
この時に初めて『ビットコイン』という言葉を耳にしましたが、『また偽通貨の詐欺事件か』という感想しかありませんでした。
その少し前に『円天』の事件もありましたし、ただの詐欺だと完全に決めつけてしまい、そのまま忘却の彼方へ・・・

そして、2年ほど時は流れ、2016年春、投資の世界ではやたらと『フィンテック(FinTech)』という言葉を耳にするようになり、その中核となる技術が『ブロックチェーン』だなどという話を聞くようになりました。
どんな技術なんだろうと興味を持った僕は、フィンテックやブロックチェーンのことを調べてみたのですが、すぐに『ビットコイン』と関係があることがわかりました。

でも、正直なところ、最初にそれを知った時の感想は、『あの詐欺通貨まだ生き残ってたの?』というものでしかありませんでした。
しかし、円との換算レートを見て衝撃が走りました。

1ビットコイン = 50,000円!?

あれだけ大々的に事件が報じられて、マウントゴックスの社長が逮捕されたのに、こんなに価値が残っているのはどういうことだろうと思い、フィンテックやブロックチェーンよりもビットコインについて知りたいと思いました。

そうして調べ始めると、ほどなく自分の認識がことごとく間違っていたことに気づかされました。

マウントゴックスはただビットコインを円やドルなどの法定通貨と交換する場所を提供し、その仲介をしていただけであり、ビットコインの仕組みとは全く無関係だったこと。

ビットコインで使われている技術の一部がブロックチェーンであり、ビットコインこそ、その発端であること。

そして、何よりも衝撃的な事実を知ることになります。

『ビットコインには発行主体・管理主体がない』

そんなバカな!!と思いました。

通常の通貨は国が法律によってその価値を保証していて、中央銀行が発行量を調整しているからこそ成り立っています。
しかし、ビットコインは発行している人がいるわけでもなく、発行量を調整している人がいるわけでもないというのです。
それなのに多くの人がその価値を認めている・・・

いったいどういう仕組みなんだろう・・・?

この時点で僕はすでにビットコインの虜だったのだと思います。
しかし、調べれば調べるほど、ワクワク感が抑えきれなくなり、まさに寝る間を惜しんでネットの記事を読みあさりました。

そして、確信しました。

“暗号通貨には革命を起こせるほどの力がある!!”

暗号通貨が日常的に使われる、そんな未来はそう遠くないような気がします。

そして、各国の中央銀行が自国通貨のコントロールに苦しんでいる現状を考えれば、暗号通貨が法定通貨を超える、それさえも夢の話ではないと僕は思っています。

暗号通貨はその性格上、既得権益を持つ様々な者から規制の圧力を受けやすいですが、決してなくなることはないと思います。

なぜなら、その根底にあるのは『自由を求める心』であり、それはまさに人間の根源的な欲求だからです。

通貨発行権という強大な力を民衆が取り戻した時、確実に国の在り方は変わっていくと思います。

そんな今とはまるで違う未来を、僕は見てみたいと思っています。